スキャナ保存と紙の原本の関係

スキャナ保存は、紙で受け取った国税関係書類を、一定の要件の下で、スキャナで読み取って電子データとして保存する制度です。国税関係書類は、国税に関する法律の規定により保存しなければならないとされている書類で、請求書や領収書も含まれます。

国税庁の電子帳簿保存法一問一答【スキャナ保存関係】は、紙の原本を読み取ったあとに廃棄してよいかを、問3で取り上げています。一問一答は改訂されることがあるため、国税庁のサイトで最新の版を確認してください。

読み取りと確認が済めば廃棄できる

問3の答えは、令和4年1月1日以後に保存する国税関係書類について、例外を除き、スキャナで読み取って最低限の同等確認をしたあとなら、紙を即時に廃棄して差し支えない、というものです。この答えは、要件に沿ってスキャナ保存をしている場合のものです。要件は、一問一答の問10にまとめられています。

同等確認は、電子データの記録事項と、紙の記載事項を比べて、同じであることを確かめることです。折れ曲がりなどがないかも見ます。

解説によると、税制改正で、紙の段階での改ざんなどを防ぐ仕組みである適正事務処理要件が廃止され、定期的な検査も要らなくなりました。収入印紙を貼った紙も、貼ったあとに読み取って同等確認をしたなら、廃棄して差し支えないとされています。ただし、印紙税を多く納めた場合の還付の申請には原本の提示が要り、電子データでは還付を受けられません。

紙を残さなければならない場合

同じ問3は、電子データとあわせて紙も保存する必要がある場合として、入力期間を経過した場合を挙げています。入力期間は、書類を受け取ってから、記録事項を電子データに入力するまでに認められた期間です。誤って過ぎたときは、ほかの保存要件に沿って入力したうえで、紙のまま保存します。ただし、一問一答の別の問で示されたケースは、この例外から除かれます。

古い版の一問一答には、備え付けのプリンタの最大出力より大きい書類も、紙を残す例外として載っていました。税制改正を反映した新しい版では、改正後の要件に沿って保存している限り、この場合も、同等確認を行ったあとなら廃棄して差し支えないとされています。

個別の扱いは、税務署や税理士に確認します。

社内の規程に廃棄の手順を書く

一問一答には、国税庁が示す規程の見本が付いています。見本の「原本の廃棄」の章は、次の流れです。

  1. 読み取りを終えた原本を、管理責任者のチェックが終わるまで、一時的に保管する。
  2. チェックが終わった原本を、作業担当者が文書管理規程に基づいて廃棄し、管理責任者に連絡する。
  3. 管理責任者が、廃棄の結果を記録する。

電子化した文書は、国税に関する法律で保存が必要とされている期間まで保存します。法人の帳簿書類の保存期間は、国税庁のタックスアンサーで確かめられます。紙を捨ててよいかと、書類を何年保存するかは、別の話です。

廃棄する紙に残る情報と、まとまった量の処分

請求書や領収書には、取引先の名称や担当者名、口座の情報などが載ることがあります。読み取りと確認が済んだ紙でも、そのまま一般のごみに出すかどうかは、社内の情報の取扱いの規程に照らして決めます。

廃棄する紙がまとまった量になるときは、機密文書回収という方法があります。株式会社トヨダは、機密文書回収で、破砕処理と溶解処理の2つを案内しています。書類をご自身で持ち込む場合と、収集を頼む場合の、どちらも選べます。回収できる地域として案内しているのは、京都府全域及び関西一円です。廃棄してよい紙かどうかの判断は、先に社内で済ませてください。詳しくは機密文書回収のページをご覧ください。